言葉が通じない人達 その2
<前回のあらすじ>
上司に侮辱された儂は、101匹のにゃんこと共にアメリカンショートヘアになるため大海原に乗り出した。
世の中にはどうしても相容れない人っていますよね。
ええ、そんな1人がうちのお店に良く来やがります。
60前後の小肥りジジイで、精神疾患なのかどうかは良く分からないのですが、普通に話しているな〜って思ったら、次の瞬間いきなり悪態をつき出すので怖いのです。
儂らはソイツが来ると、
「アブラ来たッ!」
って戦々恐々。
え?
アブラ?
ああ、だってソイツ、脂ぎった子泣き爺にそっくりなんだもん。
略してアブラ。
最近来なくなって、冬眠したんちゃうかって安心していたんですが、またまた思い出した様に頻繁に来店されるようになりまして。
一昨日、昨日、今日も来た。
ホント、迷惑。
で、儂の名札見て
「にゅげねぇさん、○○のどこに住んでるの。しげたろう(政治家の名前)の家の近くでしょ。」
とか、訳分からんこと言ってくんの。
こっちは何か言って妙なことになったらイヤだから、聞こえないふりしてレジカウンターに背中向けて、商品に値段付けてたんですよね。
そしたら、お客様がレジにやって来たの。
その瞬間ですよ。
「あんたぁ、お客さんよ。早くしんさいね。まったく、後ろにも目を付けてちゃんと仕事せんといけんじゃろ。バカじゃね。」
って言いやがんの。
お前がッ!おるからッ!仕事に支障をきたしてんねん。
お客様もダイアリー持って固まってるやろ!
高橋のデスクダイアリー持って固まってるやろ!
とっととソウルソサエティでもどこでも逝って、にゃんぱく刀のサビになれ!
儂、すっごい怒りを押さえ付けて、全力で聞き流すふりしましたけど、ハラワタ煮え繰り返るのは止められません。
つか、むしろ儂の心の叫びがアブラに届けばいいのに。
その叫びで血ヘド吐いて倒れればいいのに。
でも実際に言葉に出したら、お店の評判が悪くなるし…
いや〜、客商売って、ホント難しいですね。
そんなこんなで、しばらくハンニャ顔して働く儂。
そんな儂に、あるボーイが声をかけてくれました。
たま〜に来る、17歳くらいの育ちが良さそうなメガネボーイ。
彼の礼儀正しさは、還暦を迎えた課長も舌を巻くほどのものです。
ええ、そのメガネボーイがね、
「僕もあのおじさんに絡まれましたよ
困りますよね。」
って言ってくんの。
…
…
ボーイ!
もしかして、ソレ、儂を励ましてくれてるわけ!?
皆に悪態つくから気にすんな的な感じの発言なわけ!?
おばちゃん、デラ嬉しいよッ!
もし今度アブラがボーイを虐めてたら、儂がヤツの帽子を弾き飛ばしてやるね。
だって、ヤツの弱点は頭部。
陽光の下でハゲ山を晒すのは、ヤツにとって9999のダメージだもんね!
儂、知ってんねん。
帽子を被れない場所に行く時は、ヅラを被って行くって事を。
みんな知ってるから無駄な努力だけどね!
なんかホント、イヤ〜な事があった1日でしたが、メガネボーイのお陰でいくらか癒されました。
ありがとーね、メガネボーイ。
そして滅びよ、アブラ。
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